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野球における外野手のフライ捕球に関わる視聴覚情報処理の検討(論文抄録の考察)

2019.03.30

 

 今回の第91回センバツ高校野球大会、星稜高校は2回戦で関東地区代表の習志野高校(千葉)と対戦しました。

 今いろいろと議論されていることなのですが、ブラスバンドが良いとか悪いということではなく、表記にあるような観点から少しお話したいと思います。

 

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 野球経験がありとくに外野の守備を守り試合に出場したことがある皆様は体感しているかと思いますが、ボールをバットで捉えた時の音で、その打球の勢いや方向を予測し落下地点を判断する材料としていることは、科学的に示さなくても感覚的に理解していることです。

 

 上記の論文は、2012年12月10日発行の「トレーニング科学」という雑誌に掲載されたもので、その抄録を抜粋します。

 

~抄録~

 本研究では,野球外野手のフライ捕球動作において,打者に関する視覚及び聴覚情報に制限を加えた場合,熟練者と未熟練者のパフォーマンスにどのような違いが生じるのかを検討することにより,外野手のフライ捕球動作における知覚情報処理の方略について明らかにすることを目的とした.参加者は,熟練者として大学硬式野球部所属の外野手10名,未熟練者としてかつて野球部に所属したことのない硬式野球非経験者8名であった.実験課題は打者から約80m 離れた外野でのフライ捕球とし,①視覚制限なし・聴覚制限なし,②視覚制限あり・聴覚制限なし,③視覚制限なし・聴覚制限あり,④視覚制限あり・聴覚制限ありの4条件で,各条件10球の捕球を行った.実験の結果,野球のフライ捕球においては打者からの視覚的な情報に加えて打球音からの聴覚的情報にも基づいてボール落下地点をあらかじめ予測することが示されたまた,熟練者は初動作をいち早く開始するこでボールまでの到達時間に余裕を持ち,飛んでくるボールまでの空間距離を予測しながら落下地点まで移動することによって,捕球の成功率を高めていると考えられた.

~抄録終了~

 

 今回のセンバツ甲子園大会2回戦 星稜  vs  習志野の場合、季節は春であり、やや寒むく、あまり白色の服装などのお客さんは少なかったにしても、外野からみる観客席は満員の観客でした。①外野手は相当集中して視覚を凝らして打球に集中しなければならなかったと思います。

 

 これは甲子園大会に出場経験があり外野を守ったことのある皆様に聞いてみないと分かりませんが、ブラスバンドの応援で、聴覚として打球音は聞えるのかどうかということです。その部分は申し訳ありませんが置いておきまして、今回の相手高校のブラスバンドの音量が周辺住民からのクレームで、高野連から高校側にお願いがあり音量は下げたとは言え、②それでも大きい音量のブラスバンドがすぐ横で演奏するレフトを守る外野手は、打球音も相当耳を凝らして聞かないと、微妙なフライの打球判断は難しかったことも予測されます。

 

 ブラスバンドの応援は選手を勇気づけるものであり、まったく反対ではありません。むしろ賛成ではありますが、音量という問題で、外野手の打球判断の知覚や機能を奪うような音量のブラスバンド演奏は一考する必要があるのではないかと私は考えます。

 

 上記の考えとともに①、②の見解を考え、1塁側ベンチ上方の特別内野自由席から観戦していた私からはよくレフトの動きが見えました。ヒットになったものも含め、いくつかのフライにおいて明らかに星稜のレフトの第1歩のスタートが鈍かったと思います。なんであんな遅いの!と思った打球もありましたが、よくよく考えると、このようなことが原因としてある可能性も考えられます。

 

 外野の守備というものを視覚と聴覚という観点から、打球の勢いや方向を判断しボール落下地点まで瞬時に動く能力という面で論文の抄録を参考に考えてみました。

 このように観点も一議論として、選手がプレーしやすい環境をつくることも大人の役目なのだと思います。

 

 ”  高校野球は教育の一環  ”と、どのスポーツよりも強調して言われますが、その環境をつくる大人の人間力や感性が、今、問われているのかもしれません。その問題点の一角が今回の問題点なのかもしれません。

 これはあくまでも私見であります。私の一考察です。

 

 最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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